西洋の音楽には何拍子というのがあり、小学生の頃、この曲は何拍子かという質問が先生から出されたりしたものでした。
ところが、これが結構分かりにくい。特に、2拍子か4拍子かというのが分かりにくかった記憶があります。
大人になってからやっとその訳が分かりました。
何拍子というのは、強弱アクセントに関係があるのです。日本語は高低アクセントですから、分かりにくいのが当然だったのです。
英語でもドイツ語でも、ロシア語でもフランス語でも、歌詞と楽譜を照らし合わせてみると、拍子の初めが必ず、アクセントのある音節に来ていることが分かります。
これを知っているのと知らないのとでは、大きな違いが出てしまいます。
ARIAというアニメーションがありました。その中で、珍しいことにエスペラント語でLumis Eterneという歌が歌われていました。これだけで、或る方面では有名になったものです。
ARIA The Origination ルーミス エテルネ - YouTube
エスペラントの文法的間違いは置いておき、問題は、歌詞のアクセント部分と曲とが合っていなかったことです。
アクセントがそんなに大切なのかと言えば、大切なのです。アクセントのある音節以外はいい加減にしても通じますが、アクセント部分をおろそかにすると、各音節を丁寧に発音しても分かりにくい発音とされてしまいます。
日本人は、強弱アクセントの意識がなく、単語を聞いても、それを高低アクセントの感覚で捉えてしまいます。
かつて、NHKの基礎英語か英語会話かを担当していた東後勝明氏は、同時通訳の体験をしたとき、一語一語の発音を気にせず、アクセント部分に気を付けるようにしたそうです。そして、「分かりにくい」ことで評判の悪い日本人通訳として異例の「very clear」という評価を受けたことを書いています。
ロシア語の黒田龍之助氏も、ロシア語学校のミールで、ウダレーニエ(アクセントのこと)が弱いと常に指摘されたことを書いています。
日本の英語教育でも、アクセントをもう少し重要視してほしいと思います。